株で勝つコツは、主人公EPS君の成長ストーリーを理解すること

今までいろんな株の情報や書籍を読み漁ってきたけど、改めて自分の言葉で株で勝ち続ける要点を整理しておこうと思う。

 

まずは具体的な最近の事例から入ったほうが分かりやすいから

11月にかけての企業の上半期決算発表を見ると....

 

「業績は過去最高益を更新してるのに、なんで発表後に株価は爆下げなんだ!」

「下方修正もして赤字拡大してるのに、翌日プラ転てどういうこと?」

「今回の決算シーズンは業績と連動しなくて全く意味わからん!やっぱりインデックス最強!」

 

などという決算で明るみになった企業業績と株価の反応の仕方にトマドイ、不満が多く見られた。自分も最初の頃は同じ気持ちでしたね。

 

ただ今、改めて振り返ってみるとその株が成長ストーリーのどの位置にいるかという色眼鏡で見れば、あながち説明、予測可能な部分もあると思う。

(もちろん決算発表後の株価の動きはランダム性、不確実性がある程度あるのは否めない。)

その株が成長していく物語のどの章にいるのかを見極めるということ。

ビジネスの世界でマーケティングを説明する際によく使われる「神話の法則」を転用して当てはめてみてもおもしろい。

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ミネルヴィニの株価の4つのステージも同じように分かりやすい。

 

具体例をあげれば、

好業績に対して株価が素直に反応した半導体や精密機器の銘柄と、

一方で、超絶好決算だったのに株価を大きく下に下げたシクリカル系、資源系の銘柄

この対比は学びが多かった。

 

 

まだその株に対してロマンのある物語は描けるのか?

成長ストーリーの第一章はひとまず終わったが、新たなストーリー第二幕の予感を感じさせるもの(数字、情報、計画)はあったか?

もうたくさんの報酬を勝ち取って帰路につきクライマックスを迎え、平穏な日常世界に戻り物語は終わりを告げようとしていないか?

最大の試練(中間地点)=株で言えば中間決算 を迎え、どうなったか、どうなりそうか?通期の上方修正はどの程度? 勝ち取った利益から株主還元はあるのか?

 

これらの視点で見ると、なぜあれだけ突き抜けた業績、PLを出した資源系、海運、鉄鋼などの銘柄達が暴落や下落トレンドを描く動きになったのか説明がつくかもしれない。

もう、彼らは宝を持って帰還し、クライマックスを迎え物語を終えようとしてるのではないか。

 

市場や賢明な株主は半年先を見ているとも言います。

株価の動きから愚直に判断すると、市場的には役目を一旦終え、お役御免でもうコレ以上は買い進めないよ、というサインにも見える。

 

タイトルに主人公はEPSと入れたのはちゃんと理由があって...

EPSという数値をキャラクターに見立て物語の中でどういう状況になっているかを見ることで株の世界がクリアに見えるから。

 

EPS君というキャラの成長物語こそが株の真髄であり、孫悟空や炭治郎のように成長し続ける。EPS君を見つけることが株の成功の鍵を握っている。

 

有名指標ではBPSはPBRなどもあるが

これは株式が圧倒的に、現在や未来を優先して変化する傾向が強いから、積み重ねてきた過去や実績の数字の純資産を基軸に考えるBPS君は主役ではなく、脇役の位置付けと言える。

 

話を戻してEPS君を語るには欠かせない公式を覚えておいてほしい。

「株価=EPS×PER」というのは有名な式で、これをただ単に暗記しても意味なくてもっと具体的に分析すると

PERは株の人気度。

変数的で弾力的、流動的とも言える。

分かりやすく犬の身体で言うと、よくフラフラ動くしっぽのイメージ。

 

対してEPSは一株あたり利益。

前者に対して定数的で固定的、不動的とも言える。

しっぽに比べて普段はあまり動かない犬の胴体のイメージ。

このEPS(厳密に言えば予想EPS)に変化が訪れるのが決算期で、決算シーズンによく株価が乱高下するのは、EPSがガクッと変化してそれが波及してPERも波のようになびいていくから。

犬がビックリして身体がガクっと動けばシッポもぶらんぶらん暴れるように動く。そんなイメージ。

 

PERはEPSに比べて予測、測量するのが難しい。

市場が期待すれば買いが買いを呼び、突然PERは膨張しはじめて、行き過ぎたらバブルが弾けるように縮小を始める。

その規模が大きいものから小規模のまで、宇宙や細胞のように興隆と衰退を日々繰り返している。

普段、毎日株価が上下するのは主にこのPER(市場からの期待度)、掛け算の片方がブレるせい。

なぜならもう一方のEPSは主に決算シーズンで変更され、日々頻繁に更新はされないから。

定数と変数の掛け算なわけ。

 

だからこそ、変数的で自分でコントロール不可に近いPERに対しては、ある程度ランダムなものと距離をおいて、PERのブレからくる株価の動きに翻弄されるべきではない。

 

主人公と定義したEPS君がどうなるのか?

記事の前半で言ったようにただEPSがただ伸びるだけ、過去最高なだけではダメ。

ストーリーボードのどの位置にいるのか。オーディエンス視聴者が何を期待し、何を織り込んでいるのか。

 

EPSがマイナス、下がり続けているけど、のび太のように逆転ストーリーの狼煙が上がれば、物語の幕が開け株価は上昇に転じるかもしれない。

 

EPSは絶好調だけど、過去最強の悟空が魔人ブウを倒した時のように、視聴者がもう終わるのかと安堵して帰路の準備をし始めれば、株価は暴落するかもしれない。

 

有名投資家が大量保有したことで一躍話題になった三井松島HD。

今の株価から判断するに...

好業績を上げた後の第二章はあるのか?成長ストーリーは崩れないのか?

このまま冬が来て石炭価格が再度、上昇すればまた買いが入るかもしれない。

でも石炭はグリーンエネルギーと逆光するし、今かピークではないか?

 

そういう思惑が入り混じり物語の筆が進まない、迷って脚本が描けない状況かもしれません。

このジレンマ的状況を破るには、主人公であるEPS君の明確な伸びが求められるので

次の決算までレンジを描く展開になるかもしれない。

 

だから自分だったらもっとストーリーの描きやすい銘柄を触ったほうがいいかもしれない。

とか考えるとよりクリアに銘柄選定やスクリーニングができるかもしれませんね。

 

 

 

まとめると、株価の一番の決定要因であるEPS君に狙いを定め、彼がどうなっていくのか、市場がどう予想しているのかを洞察し、成長ストーリーのステージに当てはめてまだまだ物語を描けるロマンを保っているのかを考えていけば、

運に頼らない、日々の動きに惑わされない、より堅実で再現性のある株取引ができる

という話でした。